「着物を始めてみたいけど、どれを選べばいいか分からない…」そんな初心者の方のために、失敗しない着物選びのコツを分かりやすく解説します。予算や体型、用途に合わせた選び方から、避けるべき注意点まで、これを読めば安心して着物選びができるようになります!
着物選びの基本の「き」
まずは用途を決めよう
着物選びで一番大切なのは「どんな場面で着たいか」を明確にすることです。用途によって選ぶべき着物が大きく変わります。
普段着として楽しみたい
- 木綿や化繊の着物
- 洗濯機で洗えるもの
- 価格:1万円〜5万円
お出かけやちょっとしたイベントに
- 小紋や紬の着物
- 季節感のある柄
- 価格:3万円〜10万円
正式な場面(結婚式、お茶会など)
- 色無地や訪問着
- 格の高い素材(正絹)
- 価格:10万円〜(レンタルもおすすめ)
予算を決めることから始めよう
初心者の方によくある失敗が「予算を決めずに選び始める」こと。まずは現実的な予算を設定しましょう。
予算別おすすめプラン
3万円以下で始めたい方
- 化繊の着物:1万5千円
- 名古屋帯:8千円
- 小物類:7千円 →合計:3万円
5万円で本格的に始めたい方
- 正絹の小紋:3万円
- 名古屋帯:1万5千円
- 小物類:5千円 →合計:5万円
10万円でしっかり揃えたい方
- 正絹の色無地:5万円
- 袋帯:3万円
- 小物一式:2万円 →合計:10万円
体型別着物の選び方
身長別の選び方
低身長の方(150cm以下)
- 避けるべき柄:大きな柄、縦縞
- おすすめの柄:小さめの柄、斜め模様
- 色選び:明るい色で華やかに
- 帯選び:細めの帯で縦長効果
高身長の方(165cm以上)
- おすすめの柄:大きな柄、横縞
- 色選び:落ち着いた色で上品に
- 帯選び:幅広の帯でバランスよく
- 着付けのコツ:おはしょりを多めに取る
体型別の選び方
ぽっちゃり体型の方
- おすすめの色:濃い色、寒色系
- 避けるべき柄:横縞、大きな花柄
- おすすめの柄:縦縞、小紋
- 着付けのコツ:帯の位置を高めに
痩せ型の方
- おすすめの色:明るい色、暖色系
- おすすめの柄:大きめの柄、ボリューム感のある柄
- 帯選び:幅広でボリュームのある帯
- 着付けのコツ:補正でメリハリを作る
季節別着物の選び方
春(3月〜5月)
3月
- 袷の着物
- 桜のつぼみ、梅、菜の花の柄
- 淡いピンク、黄緑、薄紫
4月
- 袷から単衣への移行期
- 桜、藤、つつじの柄
- パステルカラー全般
5月
- 単衣の着物
- 新緑、菖蒲、藤の柄
- 爽やかな緑、青系
夏(6月〜8月)
6月
- 単衣の着物
- 紫陽花、菖蒲の柄
- 涼しげな青、紫系
7月〜8月
- 薄物(絽、紗)の着物
- 朝顔、金魚、花火の柄
- 白、水色、薄いグレー
秋(9月〜11月)
9月
- 単衣の着物
- 桔梗、萩、薄の柄
- 落ち着いた紫、茶系
10月〜11月
- 袷の着物
- 紅葉、菊、銀杏の柄
- 深い赤、オレンジ、茶色
冬(12月〜2月)
12月〜2月
- 袷の着物
- 椿、梅、雪の結晶の柄
- 深い色合い全般
素材選びのポイント
初心者におすすめの素材
化繊(ポリエステル)
- メリット:洗濯機で洗える、シワになりにくい、虫食いしない
- デメリット:静電気が起きやすい、通気性が劣る
- 価格:1万円〜3万円
- おすすめ度:★★★★★(初心者に最適)
木綿
- メリット:丈夫、洗濯しやすい、肌触りが良い
- デメリット:縮みやすい、シワになりやすい
- 価格:2万円〜5万円
- おすすめ度:★★★★☆(普段着に最適)
正絹(シルク)
- メリット:美しい光沢、着心地が良い、格が高い
- デメリット:手入れが大変、価格が高い、虫食いしやすい
- 価格:5万円〜
- おすすめ度:★★★☆☆(慣れてから挑戦)
避けた方がいい素材
ウール
- 初心者には扱いが難しく、季節も限定される
- 虫食いしやすく保管が大変
高価な紬
- 格の判断が難しく、初心者には使いどころが分からない
- 価格が高い割に着用機会が限定される
柄選びの基本ルール
初心者におすすめの柄
小紋
- 全体に小さな柄が散らばっている
- どんな場面でも使いやすい
- 失敗が少ない万能柄
無地や無地に近い柄
- 合わせる帯を選ばない
- 長く使える
- 上品で洗練された印象
季節の花柄
- 季節感を楽しめる
- 日本らしい美しさ
- 写真映えする
避けた方がいい柄
派手すぎる柄
- 着用場面が限定される
- 飽きやすい
- 年齢と共に似合わなくなる可能性
時代を表す柄
- 流行りすぎた柄は古く見える
- 長く使えない
色選びのコツ
パーソナルカラー別選び方
春タイプの方
- 明るく鮮やかな色
- イエローベースの色
- 桜色、若草色、コーラルピンク
夏タイプの方
- 淡くやわらかい色
- ブルーベースの色
- 藤色、水色、ローズピンク
秋タイプの方
- 深く落ち着いた色
- イエローベースの色
- からし色、深緑、ボルドー
冬タイプの方
- はっきりとした色
- ブルーベースの色
- 黒、紺、真っ赤、ロイヤルブルー
初心者におすすめの色
失敗しにくい色
- ネイビー:どんな帯とも合わせやすい
- グレー:上品で洗練された印象
- 薄紫:日本人の肌に馴染みやすい
- 淡いピンク:女性らしく優しい印象
購入場所の選び方
初心者におすすめの購入場所
着物専門店
- メリット:専門知識豊富、アフターサービス充実
- デメリット:価格が高め、敷居が高い
- おすすめ度:★★★★☆
百貨店の着物売り場
- メリット:品質が安定、返品交換可能
- デメリット:価格が高い
- おすすめ度:★★★☆☆
着物のアウトレット店
- メリット:価格が安い、種類豊富
- デメリット:品質にばらつき、返品不可の場合多い
- おすすめ度:★★★★☆
ネット通販
- メリット:価格が安い、種類豊富、比較しやすい
- デメリット:実物を見れない、サイズ選びが難しい
- おすすめ度:★★★☆☆(慣れてから)
避けた方がいい購入場所
路面店の激安店
- 品質が不安定
- アフターサービスなし
- 初心者には判断が困難
個人売買(メルカリなど)
- 品質の保証なし
- 返品不可
- 初心者には状態判断が困難
実際の選び方手順
ステップ1:基本情報を整理
- 予算を決める
- 用途を明確にする
- 自分の体型を把握する
- 好みの色を確認する
ステップ2:候補を絞り込む
- 素材を決める(初心者は化繊か木綿)
- 色を2〜3色に絞る
- 柄のタイプを決める
- 購入場所を決める
ステップ3:実際に選ぶ
- 実物を見て確認(可能であれば)
- サイズを確認
- 手入れ方法を確認
- 返品・交換条件を確認
ステップ4:購入後
- 着付け方法を学ぶ
- お手入れ用品を揃える
- 着用機会を作る
- 徐々にコーディネートを覚える
よくある失敗例と対策
失敗例1:高すぎる着物を最初に購入
対策:まずは手頃な価格から始めて、慣れてから良いものを購入
失敗例2:派手すぎる柄を選んでしまう
対策:最初は無地や小紋など、合わせやすい柄を選ぶ
失敗例3:季節に合わない着物を購入
対策:季節感のある柄は避け、年中使える柄を選ぶ
失敗例4:サイズが合わない
対策:必ず採寸してもらい、お直し可能な店で購入
失敗例5:手入れ方法を考えずに購入
対策:正絹は避け、洗濯可能な素材から始める
初心者向けおすすめコーディネート
カジュアルお出かけスタイル
- 着物:化繊の小紋(ネイビーや薄紫)
- 帯:名古屋帯(無地や小さな柄)
- 小物:シンプルな色で統一
- 予算:3〜5万円
少しおしゃれなお出かけスタイル
- 着物:正絹の小紋(上品な色合い)
- 帯:袋帯(金銀の入った華やかなもの)
- 小物:着物に合わせた季節感のあるもの
- 予算:8〜12万円
まとめ
着物選びで失敗しないコツは、「背伸びをしすぎないこと」です。最初は手頃な価格で扱いやすい素材から始めて、徐々にステップアップしていけば、自然と自分に似合う着物や好みが分かってきます。
大切なのは、着物を着る楽しさを感じること。完璧を求めすぎず、まずは一歩踏み出してみてください。きっと素敵な着物ライフが始まりますよ!
今回ご紹介した選び方を参考に、あなたにぴったりの一枚を見つけてくださいね。
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