「着物を着たいけど、冬は寒そう…」そんな心配をしていませんか?実は、正しい防寒対策をすれば、着物でも冬を暖かく快適に過ごせるんです!初心者の方でも簡単にできる防寒テクニックから、おしゃれで実用的な防寒アイテムまで、冬の着物を楽しむコツを詳しくお教えします。
着物の防寒対策|基本の考え方
着物が実は防寒性に優れている理由
重ね着の構造 着物は元々、何枚も重ねて着ることで保温性を高める構造になっています。肌着→長襦袢→着物という重ね着により、空気の層ができて暖かさを保てます。
天然素材の保温性 絹(正絹)や木綿などの天然素材は、化学繊維よりも保温性に優れています。特に絹は軽くて暖かく、冬の着物に最適な素材です。
足首まで覆う長さ 着物の裾は足首まであるため、下半身をしっかりと保温できます。これは洋装にはない着物ならではのメリットです。
防寒のポイント
- インナーでしっかり保温
- 首・手首・足首を温める
- 適切な防寒小物を活用
- 素材選びを工夫する
インナーで差をつける!基本の防寒対策
肌着の選び方
冬におすすめの肌着
ヒートテック系インナー
- メリット:薄くて暖かい、汗を吸収・発散
- 注意点:静電気が起きやすいので、絹の肌着を重ねるのがおすすめ
- 価格:1,000円〜2,000円
絹の肌着
- メリット:保温性・保湿性に優れ、肌に優しい
- デメリット:価格が高め、洗濯に注意が必要
- 価格:3,000円〜8,000円
綿の肌着
- メリット:肌に優しく、洗濯しやすい
- 注意点:綿100%だと保温性がやや劣る
- 価格:1,500円〜3,000円
長襦袢の工夫
袷(あわせ)の長襦袢 冬は必ず袷の長襦袢を着用しましょう。単衣の長襦袢より格段に暖かくなります。
素材選びのコツ
- 正絹:最も保温性が高い(価格:10,000円〜)
- 交織(絹と化繊の混合):コスパが良い(価格:5,000円〜)
- 化繊:手入れが楽(価格:3,000円〜)
裾除けの活用 長襦袢の下に裾除け(すそよけ)を着用すると、さらに保温効果がアップします。特に足の冷えが気になる方におすすめです。
レッグウォーマーの活用
着物用レッグウォーマー 足首から膝下まで覆うレッグウォーマーは、着物の下に履いても外から見えないので、防寒対策として非常に有効です。
選び方のポイント
- 素材:ウールやシルクがおすすめ
- 長さ:膝下まであるロングタイプが効果的
- 色:着物に響かない肌色やベージュ
- 価格:1,500円〜4,000円
防寒小物で暖かく美しく
羽織もの
羽織(はおり) 着物の上に着る正統的な防寒着
種類と特徴
- 黒羽織:フォーマルにも使える万能アイテム(10,000円〜)
- 色羽織:カジュアルで楽しい(8,000円〜)
- 絞り羽織:上品で温かい(15,000円〜)
コート類
道中着(どうちゅうぎ)
- 特徴:着物の上から着る外出着
- メリット:防寒性が高く、上品
- 価格:20,000円〜50,000円
道行(みちゆき)
- 特徴:衿が四角い着物専用コート
- メリット:着物の衿元を美しく見せる
- 価格:15,000円〜40,000円
和装コート
- 特徴:現代的なデザインで着やすい
- メリット:カジュアルに使いやすい
- 価格:8,000円〜20,000円
初心者におすすめ まずは扱いやすい「和装コート」から始めるのがおすすめです。
ショール・ストール
素材別の特徴
ウールのショール
- メリット:保温性が高く、手入れが楽
- デメリット:カジュアルな印象
- 価格:3,000円〜8,000円
カシミアのショール
- メリット:軽くて暖かく、上品
- デメリット:価格が高い、手入れが必要
- 価格:10,000円〜30,000円
ファーのショール
- メリット:豪華で防寒性抜群
- 注意点:フォーマル度が高い
- 価格:5,000円〜20,000円
巻き方のコツ
- 肩にかけるだけでなく、首元で結ぶと暖かさアップ
- 着物の色に合わせて選ぶと上品に仕上がる
足元の防寒
足袋
厚手の足袋
- 裏起毛タイプ:保温性抜群(1,500円〜3,000円)
- ウール足袋:天然素材で暖かい(2,000円〜4,000円)
- カイロが入る足袋:つま先専用ポケット付き(2,500円〜)
重ね履きテクニック 薄手の絹足袋の上に厚手の足袋を重ねる「重ね足袋」も効果的です。
草履・下駄
防寒草履
- 裏ボア付き:鼻緒の裏に起毛素材(8,000円〜15,000円)
- 厚底草履:地面からの冷えを防ぐ(6,000円〜12,000円)
雪駄・時雨履き 雨や雪の日には、底にゴムが付いた雪駄や時雨履きがおすすめです。
手と首の防寒
手袋
和装用手袋
- 絹の手袋:上品で着物に合う(3,000円〜6,000円)
- レースの手袋:フォーマルにも使える(2,000円〜5,000円)
- 指なし手袋:実用性重視(1,500円〜3,000円)
懐炉(カイロ)の活用 昔ながらの懐炉や現代のカイロを帯の間に入れたり、袖の中に忍ばせたりして暖を取りましょう。
半衿の工夫 厚手の半衿や起毛素材の半衿を使うと、首元の保温効果が高まります。
素材選びで防寒力アップ
着物の素材
冬におすすめの素材
ウールの着物
- メリット:保温性抜群、カジュアルで扱いやすい
- デメリット:フォーマルには不向き
- 価格:15,000円〜40,000円
厚手の正絹
- メリット:高級感があり、保温性も良い
- デメリット:価格が高く、手入れが必要
- 価格:50,000円〜
綿の着物
- メリット:手入れが楽、肌に優しい
- デメリット:保温性はやや劣る
- 価格:20,000円〜40,000円
帯の選び方
袋帯 厚みがあり、お腹周りの保温効果が高い
名古屋帯 軽やかですが、冬は少し寒く感じることも
素材のおすすめ
- 西陣織:厚みがあり暖かい
- 博多織:締めやすく、適度な厚み
場面別|冬の着物コーディネート
普段のお出かけスタイル
基本のコーディネート
- 着物:ウールや厚手の小紋
- 帯:名古屋帯
- 羽織もの:カジュアルな和装コート
- 足元:厚手足袋+防寒草履
予算目安:全体で8万円〜15万円
お正月・初詣スタイル
格上げコーディネート
- 着物:色無地や上品な小紋
- 帯:袋帯
- 羽織もの:道中着や上質な羽織
- 足元:正絹足袋+上品な草履
- 小物:ファーショール、和装用手袋
予算目安:全体で15万円〜30万円
茶会・フォーマルスタイル
格式高いコーディネート
- 着物:色無地、訪問着
- 帯:袋帯
- 羽織もの:黒羽織、道行
- 足元:正絹足袋+格の高い草履
予算目安:全体で20万円〜
着付けの工夫で暖かく
補正を活用した防寒
タオル補正 普通のタオル補正に加えて、薄手のタオルを1〜2枚多めに使うと保温効果がアップします。
使い捨てカイロの活用
- 腰回り:帯の下にカイロを貼る
- 背中:長襦袢の背中部分に貼る
- お腹:肌着の上から貼る
着付けのポイント
隙間を作らない
- 長襦袢と着物の間に隙間ができないよう、しっかりと合わせる
- 衿元から風が入らないよう、適切な衿の抜き具合を保つ
帯をしっかり締める 帯をしっかり締めることで、体温を逃がしにくくなります。
外出時の注意点
電車・バスでの移動
脱ぎ着しやすい羽織ものを 暖房の効いた電車内では暑くなることもあるので、簡単に脱げる羽織やショールがおすすめです。
雨・雪の日の対策
雨コート 着物専用の雨コートがあると、雨の日でも安心して着物でお出かけできます。
足元の滑り止め 雪の日は草履に滑り止めを付けるか、滑りにくい靴底の履物を選びましょう。
初心者向け|おすすめ防寒アイテム
最初に揃えたい3点セット
- 厚手の足袋(2,500円)
- ウールのショール(4,000円)
- 和装用手袋(3,000円)
合計:9,500円で基本の防寒対策完了!
慣れてきたら追加したいアイテム
- 和装コート(15,000円)
- 裏起毛の長襦袢(8,000円)
- 防寒草履(10,000円)
プロおすすめ|本格防寒セット
- カシミアのショール(25,000円)
- 道中着(40,000円)
- ウールの着物(30,000円)
お手入れ方法
防寒アイテムのお手入れ
ウール製品
- 陰干しでしっかり乾燥
- 防虫剤と一緒に保管
- シーズン前後にクリーニング
絹製品
- 必ず陰干し
- 湿気を避けて保管
- 汚れたらすぐに専門店へ
収納のコツ
カイロの取り忘れ注意 使い捨てカイロを付けたまま収納しないよう注意しましょう。
湿気対策 冬は暖房で室内が乾燥しがちですが、着物の保管時は除湿剤を入れて湿気対策をしっかりと。
まとめ
冬の着物は、正しい防寒対策をすれば快適に楽しめます。初心者の方は、まず基本のインナー選びと簡単な防寒小物から始めてみてください。
冬の着物防寒対策のポイント
- 重ね着を活用する
- 首・手首・足首を温める
- 適切な素材を選ぶ
- 段階的にアイテムを揃える
寒い季節だからこそ、着物の温かみと美しさが際立ちます。今年の冬は、しっかり防寒対策をして、着物でのお出かけを楽しんでくださいね!
暖かい着物姿で、冬の特別な思い出を作りましょう。

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